バリ島で人を殴ったりけがをさせたりした外国人観光客は、地元住民と同じ刑法で裁かれます。傷害は最長2年6か月の禁錮、相手が重傷なら最長5年です(2023年法律第1号第466条)。刑事手続きが終わると、入管による国外退去と再入国禁止が続くのが通例です。
プチャトゥで何があったのか
2026年10月27日(火)午前2時25分、サウジアラビア国籍の男性AMA(29)とFMA(35)が、南クタ・プチャトゥ村のナイトクラブ前で3人を刃物で刺しました。detikBaliによると、バリ州警察広報のアリアサンディ警視は、2人が他の客に迷惑をかけてクラブから退店させられ、外で注文待ちをしていたバイクタクシー運転手と口論になったと説明しています。運転手2人とホテルの警備員1人が腹部と背中を刺されました。
10月29日(木)の記者会見で、デンパサール市警察署長のイ・ワヤン・ウィナヤ警視は、2人がクラブに持ち込んだ折りたたみナイフを使ったと述べました。2人は2026年9月から観光の滞在許可でバリにおり、第466条第2項(最長5年)で立件されています。警察は尿検査を予定し、サウジアラビア大使館と連絡を取っています。被害者は容体が安定し、通院治療中です。
どの条文が適用されうるか
インドネシアでは2026年1月2日から新刑法(2023年法律第1号)が施行されています。以下は2026年10月30日に条文を確認した内容です。その他の変更点は新刑法と観光客への影響にまとめています。
- 軽微な暴行(第471条):相手が病気にならず仕事にも支障がない程度。最長6か月または第II類罰金(1,000万ルピア)。
- 傷害(第466条第1項):最長2年6か月または第III類罰金(5,000万ルピア)。重傷なら5年、死亡なら7年。
- 計画的な傷害(第467条):最長4年、重傷なら7年。
- 公衆の面前での集団暴行(第262条):友人と一緒に相手を囲んで殴った場合。最長5年、負傷者が出れば7年、重傷なら9年。
- 集団のけんかへの参加(第472条):重傷や死亡に至った場合、参加者全員が対象です。
- 刃物の携帯(第307条):最長7年。傷害罪とは別に問われます。
意外に思われがちですが、鼻や歯を折る一発でも重傷と判断されることがあります。酔っていたことは免責理由になりません。
外国人は必ず国外退去になるのか
刑期を終えた後、ほぼ確実に退去となります。入国管理法(2011年法律第6号)第75条は、治安や公共の秩序を害する、または法令に従わない外国人に対し、入管職員が国外退去や入国禁止などの行政措置をとることを認めています。2024年法律第63号による改正後、入国禁止は最長10年で延長も可能です。今月の他の事例は2026年10月の国外退去10件をご覧ください。
示談で済ませられるか
比較的軽い事件なら可能です。新刑事訴訟法(2025年法律第20号)は修復的司法を定めており、原則として法定刑が最長5年以下の罪と初犯が対象です。最高裁の通達(SEMA 2026年第1号)は、法定刑がちょうど5年の罪も対象になると確認しています。被害者との合意が条件で、通常は謝罪と治療費の負担です。自動的に認められるものではなく、捜査官・検察官・裁判官が判断し、被害者は拒否できます。刑事事件が和解で終わっても、入管が措置をとることはあり得ます。
事件を「なかったこと」にするために警察官へ直接お金を渡すのは絶対にやめてください。それ自体が贈賄事件になり得ます。すでに逮捕された場合の通訳・弁護士・領事への連絡の権利はバリで警察に拘束されたときの権利で解説しています。
被害者・目撃者になったら
- まずその場を離れ、110(警察)または112に電話します。けがをしたら最寄りの救急へ。
- 刑事事件の診断書(visum et repertum)は、警察の依頼を受けて病院が作成します。軽傷か重傷かはこれで決まります。
- 地元のPolsekまたはPolrestaのSPKT窓口で被害届を出し、受理証明を受け取ります(プチャトゥとウルワツはPolsek Kuta Selatanの管轄)。保険請求にも同じ書類が必要で、手順は保険用の警察届の出し方とほぼ同じです。
- 動画を保存し、目撃者の名前を控えます。届け出前に加害者の顔をSNSに載せないでください。
- 襲われて反撃した場合、刑法第34条の正当防衛(差し迫った違法な攻撃に対する防衛)が適用され得ます。反撃は相当な範囲であることが必要で、判断するのは捜査官です。
クラブ周辺でトラブルを避けるには
プチャトゥのような事件は、午前1時以降、酔った客が迎えを待つクラブの外で起きています。警備員に退店を求められたら従い、店の敷地内から配車を手配しましょう。路上で運転手や他の客との口論に乗らないこと。旅行者向けのその他の義務と禁止事項はバリのルールまとめにあります。
よくある質問
事件の処理中、帰国を止められることはある?
あります。入管法は警察の要請による出国禁止を認めており、捜査官がパスポートを証拠として押収することもあります。滞在延長の費用を見込んでおきましょう。
殴っていない口論だけでも罪になる?
まれです。ただし暴力の脅しや、被害者が届け出た侮辱を伴う場合は別です。強く押して相手が転び、けがをすれば傷害に当たります。
加害者が地元の人だったら?
手続きは同じです。Polsekに届け出て通訳を求め、支援が必要なら自国の領事館に連絡します。出典:detikBali 2026年10月28日・29日の報道、2023年法律第1号・2011年法律第6号・2024年法律第63号の条文(2026年10月30日確認)。
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