スローロリスについては答えは「ダメ」です。スローロリス属(Nycticebus)はすべてインドネシア環境林業省規則P.106/2018で保護されており、写真用に飼育・売買する人は刑事罰の対象になります。ジャコウネコ(ルアク)とアミメニシキヘビは保護リストに入っていないので、一緒に有料撮影しても旅行者が罪に問われることはありませんが、ほぼ例外なく檻に入れられ、一日中触られ、昼間に無理やり起こされている野生動物です。
スローロリスが別扱いの理由
スローロリスは光やフラッシュに目が弱い夜行性の霊長類です。バリは本来の生息域ではないので、バリの路上やビーチにいるロリスはほぼ確実にジャワやスマトラから密売ルートで来たものです。噛まれると毒があるため、業者は歯を抜いたり切ったりすることが多いです。タイの野生動物保護団体WFFTは、撮影用ロリスに切られた歯や骨折した手首がよく見られると記録しています。
法的根拠は、1990年の保全法を改正した2024年法律第32号です。第21条第2項は、生きた保護動物の捕獲、飼育、運搬、売買を禁じています。法律メディアHukumonlineの解説によれば、違反者は3〜15年の禁錮とカテゴリーIV〜VIIの罰金(新刑法で2億〜50億ルピア)に処されえます。なお、2026年10月10日にバリ州警察水上警察がスラガンでアオウミガメ22頭を保護したと伝えたアンタラ通信の記事は、まだ旧法の刑罰(5年、1億ルピア)を引用していました。現在適用されるのは2024年法律第32号の数字です。
刑事責任を負うのは飼い主や売り手です。ただ、その商売を支えているのは旅行者が払うお金で、「助けるため」にロリスを買ったり引き取ったりすれば、自分が保護動物の所持者になります。
ルアクとヘビ:合法でも、よく考えて
- パームシベット(Paradoxurus hermaphroditus):保護対象外。観光向けコーヒー農園の一部では、夜行性のルアクを檻に入れて昼間に展示しています。倫理面はバリのエシカルな野生動物観光ガイドで解説しています。
- アミメニシキヘビ(Malayopython reticulatus):インドネシアでは保護対象外ですが、CITES附属書IIの種です。観光客の首にかけられたヘビはストレスで噛んだり締めつけたりすることがあります。保護対象のヘビや爬虫類もいて、旅行者にはまず見分けられません。
- カニクイザル:2025年末から、バリ州知事通達2025年第19号で住民による飼育が禁止されました。アンタラ(2026年6月15日)によると、バリ自然資源保全局(BKSDA Bali)はすでに住民から16頭を受け入れています。鎖につながれて撮影に使われるサルは、いまや明確な通達違反です。バリでサルに餌をあげてもいい?もあわせてどうぞ。
ロリスとの撮影を持ちかけられたら
- 丁寧に断り、SNS用の「証拠」としても動物を撮らないこと。そうした投稿も結局は無料の宣伝になります。
- 場所、時間、売り手の特徴を控えておきましょう。トラブルにならない距離から現場の様子を撮るのは通報用として問題ありません。
- デンパサールのバリ自然資源保全局(Googleマップで BKSDA Bali の事務所を見る)か、警察110番へ通報を。バリ州政府も2025年州知事通達第7号とあわせて、旅行者の違反行為を通報する連絡先0812-8759-0999を公表しています(アンタラ、2025年3月24日)。
- 逃がすために動物を買わないこと。そのお金はそのまま次のロリスの仕入れに回ります。
隣国ではすでに同じ構図が表に出ています。The Thaiger(2026年4月29日)によると、4月27日にタイ・プーケットのカロンで、スローロリスとの有料撮影を持ちかけていた男が逮捕されました。バリについては、アンタラのBKSDA Bali関連記事のアーカイブで、2025〜2026年に撮影業者からロリスが押収されたという報道は見つかりませんでした(2026年10月22日確認)。存在しないという意味ではなく、報道されていないということです。
FAQ
動物がらみで旅行者が国外退去になることは?
入管当局はインドネシアの法律に違反した外国人に、国外退去を含む行政措置を取ることができます。保護動物の所持や運搬は刑事犯罪なので、買ったり運んだりすればリスクは現実のものになります。
タナロットでのフクロウやオオコウモリとの写真は?
種によって扱いが異なり、猛禽類の一部は保護対象です。いちばん安全な姿勢は同じで、お金を払わない、野生動物に触れないこと。ほかのルールはバリのルールページへ。
動物由来のお土産も問題?
ウミガメのような保護動物なら問題です。バリのウミガメ製品のルールをご覧ください。
バリの野生動物を間近で見たいなら、来訪者が動物に触れない場所を選びましょう。スラガンのウミガメ保護センターや、公認ガイドと歩く西部バリ国立公園でのバードウォッチングがその一例です。
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