ヌガラの町でシャリフ・トゥア橋を渡ると、バリの空気は数秒で入れ替わります。ガムランに代わってアザーンが響き、高床の木造家屋が川沿いに並ぶのです。ここがKampung Loloan——ロロアン・ティムール(ジェンブラナ郡)とロロアン・バラット(ヌガラ郡)からなる、イジョ・ガディン川のほとりに三世紀以上続くブギス・マレー系の集落です。
ブギスの船乗りとマレーの学者の足跡
- 第一の波:1669年ごろ、ソンバ・オプ要塞の陥落後、ダエン・ナコダ率いるブギス・マカッサルの船乗りがイジョ・ガディン川の河口に入りました。ジェンブラナの領主イ・グスティ・アルヤ・パンチョランは、交易港バンダル・パンチョランの開設を許しました。
- 第二の波:続いてマレーの学者が到来。サラワク出身のブユット・ルバイ(ダワン・シラジュディン、1619年生〜1744年没)はロロアン・ティムールのグヌン・アグン通りに葬られています。
- シャリフ・トゥア:シャリフ・アブドゥラ・ビン・ヤヒヤ・アルカドリは1804年にファティマ砦を築き、1858年に没しました。その名は集落の両岸を結ぶ橋に残っています。
バイトゥル・カディム・モスクと高床の家
- Masjid Agung Baitul Qadim:1679年、ブギス系ウラマーのハジ・ヤシンが、イ・グスティ・ングラ・パンチョランから贈られた土地に創建しました。ジェンブラナ県最古のこのモスクには手書きのクルアーン写本、古い碑文、古式の太鼓ブドゥグが伝わります。「Baitul Qadim」(古い家)の名は1974年11月14日から使われています。
- 高床の家:釘を使わず解体・移築できる木造構法で、築100〜300年のものもあります。2024年の調査では約67棟しか残っておらず、2022年以降は文化財候補として登録。人が暮らす住宅で博物館ではないため、撮影や立ち入りの前に必ず許可を求めてください。
言葉・芸能・習慣
- バセ・ロロアン:バリ語とブギス語の語彙が混ざったマレー語方言で、話者は減りつつも日常語として使われています。
- 芸能:ブルダ、ハドラ、ザピン、ガンブス、ロダット、マラウィス、そしてプンチャック・シラット。
- ンゲジョット:ムスリムとヒンドゥーの隣人が、互いの大祭を前に料理を贈り合う習慣。
- Festival Budaya Loloan「Jaman Lame」:ジェンブラナ県政府がロロアン・ティムールで開催し、第6回は2025年10月17〜19日に行われました。
実用情報と予約
- 場所:Google マップで見る
- アクセス:デンパサールから約90km(2.5〜3時間)、またはギリマヌク港から約25km(およそ40分)。
- 時間と料金:毎日開放・無料。モスクは礼拝時間を外して訪れ、金曜礼拝の時間は参加する場合を除いて避けましょう。
- 予約:チケットは不要で、そのまま訪問できます。歴史の解説を望むなら、モスクの管理者か地元の役場に許可と協力を求めてください。
- マナー:肌を覆う服装で、モスクでは靴を脱ぎ、墓所の近くでは声を落とし、アルコールは持ち込まないこと。
- SNS:Instagram で検索
ロロアンはギリマヌクやメデウィ方面からの日帰り立ち寄り先として最適で、西バリの客室料金は AccessiaPass のホテルバウチャーで先に確保できます。
コメント 0
まだコメントはありません。最初のコメントを投稿しましょう!