まず石けんと流水で傷口を15分間洗い、その日のうちに医療機関で狂犬病ワクチン(VAR)を接種してください。バリ島でサル、犬、猫、コウモリに咬まれたり引っかかれたりしたとき、最も大切なのはこの2つで、順番を入れ替えてはいけません。症状が出るまで待たないこと。狂犬病は発症するとほぼ確実に死に至ります。
今年のバリ島の狂犬病はどれほど深刻?
深刻です。バリ州保健局によると、2026年1月から9月11日までに狂犬病媒介動物による咬傷が52,645件記録され、1日平均219件でした。39,193人がワクチンを受け、7人が死亡しています(2025年は16人)。最も多いのはクタ、スミニャック、チャングー、ウルワツを含むバドゥン県(9,961件)。保健局は、亡くなった人の多くが咬まれた後に医療機関を受診しなかったと説明しています。
最初の15分でやるべきことは?
- 石けんか洗剤を使い、流水で傷口を丸15分洗います。WHOとインドネシア保健省が推奨する方法で、傷の周囲のウイルスの大半を殺せます。
- 洗った後に消毒薬(ポビドンヨードか70%アルコール)を塗ります。
- 縫合したり、きつく覆ったり、民間療法を塗ったりしないでください。
- 傷の写真を撮り、時刻・場所・動物の種類を記録します。ペットなら飼い主に予防接種の有無を確認しましょう。
ワクチンだけでいい?免疫グロブリンも必要?
傷の分類によります。無傷の皮膚をなめられただけならワクチンは不要です。出血のない引っかき傷や小さな咬み傷は通常ワクチンのみ。皮膚を貫通した咬傷、出血している傷、開いた傷や粘膜をなめられた場合(WHO分類のカテゴリーIII)、また顔・首・指の傷は、ワクチンに加えて抗狂犬病免疫グロブリン(インドネシアではSAR、ヒト由来はHRIG)が必要です。傷の周りに注射し、ワクチンで免疫ができるまでの間を守ります。カニクイザルも狂犬病媒介動物なので、サルに咬まれた場合も犬と同じ扱いです。
バリ島のどこでワクチンと免疫グロブリンを受けられる?
- 保健所(プスケスマス)と県立病院(狂犬病センター):医学的に必要な場合は政府のワクチンを接種。2026年9月11日時点の州の在庫はRabivax/Irorab 40,881本、Verorab 445本。
- 政府の免疫グロブリンは少ない:同日時点でバリ全体でわずか35本(バドゥン10、ギャニャール6、ブレレン5、タバナン5、バンリ3、州6)。カテゴリーIIIの傷なら、向かう前に電話で確認を。
- デンパサールのProf. dr. I.G.N.G. Ngoerah病院(旧サンラ病院):バリ島の中核病院。Googleマップで見る。
- 民間:BIMC(クタ、ヌサドゥア)とシロアム・デンパサールは旅行者の受診が多い病院です。Hydro Medical(チャングー、スミニャック、クタ)やSanmed Medical Cangguなど24時間クリニックは公式サイトでHRIGの常備を案内しています。在庫切れもあるので、電話かクリニック公式WhatsAppで事前に確認しましょう。
接種スケジュールは?
インドネシア保健省の指針は4回接種で、0日目に2回、7日目に1回、21日目に1回です。多くの民間クリニックはWHO/CDC方式の0・3・7・14日目を採用しています。どちらも有効ですが、医師の指示なく混ぜないでください。渡航前に曝露前接種を完了していれば、追加接種2回(0日目と3日目)だけで免疫グロブリンは不要です。帰国後に続きを受ける場合に備え、製品名・ロット番号・日付を記した接種カードをもらいましょう。
費用はいくら?
民間クリニックではワクチン1回あたり通常65万~130万ルピア(複数の情報源、2026年9月確認)、約6,000~12,000円です。HRIGは体重で量が決まるためはるかに高額です。2025年にウブドのモンキーフォレストでオーストラリア人の少女がサルに咬まれた例では、クリニックは1本約320万ルピア、4本と処置で合計4,870万ルピアと説明しました。保健所の政府ワクチンはずっと安く、適応があれば無料の場合もあります。民間クリニックでは治療前に明細見積もりを求めましょう。
旅行者が咬まれやすい場所は?
- サルのいる場所:ウブドのモンキーフォレスト、ウルワツ寺院、サンゲ、アラス・クダトン。食べ物、サングラス、スマホは閉じたバッグへ。サルの目を見つめたり、からかったり、取られた物を取り返そうとしたりしないでください。
- 野良犬:夜のビーチや村の路地、田んぼのあぜ道、寺院の周辺。知らない犬はなでず、追われたらゆっくり離れます。
- 動物を安全に見る方法はバリ島のエシカルな野生動物観光ガイドで紹介しています。
旅行保険は使える?
多くの海外旅行保険は動物咬傷の救急治療をカバーしますが、約款を確認してください。自分から餌をやったり触ったりした場合は支払い対象外とする保険もあります。領収書、診断書、接種カードはすべて保管を。HRIGを支払う前に保険会社の緊急窓口へ連絡すれば、病院へ直接支払いを保証してくれる場合もあります。緊急連絡先やほかの病院はバリ島の健康・緊急時ガイドにまとめています。
出発前に接種すべき?
CDCは、長期滞在者、動物と関わる仕事の人、へき地でサイクリングやトレッキングをする人、動物に近づきがちな子どもに曝露前接種を勧めています。咬まれた後の治療の代わりにはなりませんが、免疫グロブリンが不要になり、追加接種2回で済みます。出発の3~4週間前にトラベルクリニックへ相談しましょう。
症例数は2026年9月11日時点のバリ州保健局データで確認しました。免疫グロブリンの在庫は毎週変わるため、どの施設にも必ず事前に電話してください。
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