「バリ腹」(Bali belly)は旅行者下痢症の通称で、ほとんどは経口補水塩(ORS)を十分に飲めば1-3日で自然に治ります。CDCイエローブック2026年版によると、軽い下痢には抗生物質は推奨されていません。注意すべきは、血便、発熱、止まらない嘔吐、脱水の兆候です。その時はクリニックへ。以下はCDCイエローブック2026年版(旅行者下痢症の章)とインドネシア保健省の記事(keslan.kemkes.go.id)をもとに2026年9月に確認した内容です。医師の診察の代わりにはなりません。
バリ腹の原因は?
主に汚染された飲食物に含まれる細菌、ウイルス、寄生虫です。CDCが東南アジアで多いとする病原体には大腸菌、カンピロバクター、ノロウイルスがあります。原因は水道水、生水で作った氷、水道水で洗った生野菜、洗っていない手などです。水についてはバリの水道水は飲めるかをどうぞ。
最初に何を飲めばいい?
経口補水塩です。インドネシア保健省はオラリット(oralit)を下痢時の水分・電解質補給の基本としています。1袋を湯冷まし200mlに溶かし、牛乳や甘いお茶とは混ぜず、24時間以内に飲み切ります。バリの薬局や多くのコンビニで買えます。手に入らない時の保健省の応急レシピは砂糖小さじ2+塩小さじ½を湯冷まし1杯(約200ml)に溶かすです。少量ずつこまめに、特に排便のたびに飲みましょう。
ロペラミド(下痢止め)は飲んでいい?
発熱のない軽度から中等度の下痢なら、CDCはロペラミドや次サリチル酸ビスマスを検討してよいとしています。飛行機や長距離移動の前などです。ただし血便や発熱がある時はロペラミド単独で飲まないでください。止瀉薬は病原体を腸にとどめてしまうことがあります。子どもには、どんな下痢止めも医師に相談してから。
抗生物質は必要?
通常は不要です。CDCは影響の大きさで重症度を分けています。軽症(普段どおり動ける)は抗生物質を推奨せず、中等症は検討可、重症(動けない)は抗生物質を勧めます。またCDCは、東南アジアでカンピロバクターがシプロフロキサシンなどのフルオロキノロン系に耐性を持つと指摘しています。インドネシア保健省も、下痢の抗生物質は医師の指示どおりに使うよう求めています。友人の余った抗生物質を飲んだり、処方箋なしで薬局に頼んだりせず、薬と量は医師に任せましょう。
医師やクリニックに行くべき時は?
- 便に血や粘液が混じる。
- 発熱、特に38.5°C以上、または悪寒。
- 嘔吐が続き、経口補水塩も飲めない。
- 脱水の兆候:強い喉の渇き、口の乾き、立ちくらみ、尿が少なく濃い、だるさ。
- 2-3日たっても良くならない、または激しい腹痛。
- 乳児、幼児、高齢者、妊婦、持病のある人。この場合は待たないこと。
観光地の24時間クリニックでは、多くの場合便検査や必要に応じた点滴ができます。旅行者にとって私立クリニックの診察や点滴は安くないので、まず保険を確認しましょう。旅行保険で確認すべき点を参照してください。病院と緊急番号はバリの医療・緊急ガイドにまとめています。
日本から持っていくものは?
経口補水塩を数袋、小さな体温計、移動中の緊急用の下痢止め。持病がある人、妊娠中の人、子ども連れの人は出発前に医師に相談しましょう。いつ飲むかの指示付きで予備の抗生物質を処方してもらえれば、薬局の窓口で迷わずに済みます。薬は元の包装のまま、処方箋のコピーと一緒に持ち歩きましょう。
下痢の間は何を食べる?
保健省は柔らかい食事を勧め、辛いもの、脂っこいもの、アルコールを避けるよう言っています。おかゆ、白ご飯、食パン、バナナ、澄んだスープは弱った胃に優しい食べ物です。コーヒーと炭酸飲料はしばらく控えましょう。
予防するには?
- 未開封のボトル水かホテルのウォーターサーバーの水を飲む。胃が弱い人は歯磨きも同じ水で。
- よく火が通った熱い料理を選ぶ。自分で皮をむく果物はサラダより安全。
- 大きなレストランやカフェの氷はたいてい工場製。屋台で不安なら氷なしで。
- 食前に石けんで手を洗う。アルコール消毒は役立つが、ノロウイルスには効きにくい。
- CDCによると次サリチル酸ビスマスはリスクを約半分に減らせますが、1日に何度も飲む必要があり、誰にでも合うわけではありません。プロバイオティクスは推奨できるだけの根拠がまだありません。
実用的なひとこと:出かける前にデイバッグへ経口補水塩を数袋入れておきましょう。下痢が一番困るのは、ヌサペニダやキンタマーニへ向かう途中、薬局から遠い場所です。
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